ガイドの主役【スタッフ・こげら日記】
2024-04-22
この日は35度前後の暑い日。
レストランで食事を終え、駅に戻ろうとしたところ、
Eさんは駅とは反対の方向を指差していました。
「Eさん電車乗っていいです。駅に行きましょう」と声かけをしましたが、
指差しした方向に行きたい様子は変わらず。
この時、私のなかで、
「今日は尋常じゃないくらい暑いしな。できればこのまま駅に戻りたい。
終了時間に遅れるかもしれないし」と悪魔の声が囁きました。
その直後、
「いや、まてまて!それ完全にヘルパー都合じゃん!
E さんが、行きたいって言ってるじゃん!考えようぜ」
「これを無視することはできない。とりあえず指す方向へ行ってみよう。
何か新しい発見があるかもしれない」
と心のなかにある天使の声が、悪魔の声を打ち消しました。
利用者が指す方向に向かう途中、私は気付きました。
このコースは前に行ったことがあるコースだと。
行ったのは一度だけで、
Eさんが道をマスターしていることに感心してしまいました。
片道20分はかかるコースですが、途中の公園の自動販売機で飲料を買い、
飲んだ後は駅に戻りました。
「自動販売機に好きなものがあったのかな?」とも考えましたが、
Eさんはどちらかというと歩くことはあまり好きではありません。
私が散歩を促しても、数分たつと駅の方へ戻ってしまうことが、
これまでに何度もありました。
私が駅に戻ることを提案しても、目的の公園まで歩きたいという意思を示すとは…
おそらくEさんにとっては、好ましい場所だったのだと思います。
帰りはニコニコする場面もあったので、
(好きな所にいけて良かったあ)と感じていたのかもしれません。
ヘルパーが利用者の思いを汲むことで、
(今日は楽しかった。また行きたい)と次に繋がり、様々な人と関われる。
興味関心が広がり、選択肢が増える。
自分自身の思いを伝える事が出来る。
悪魔の声に負けず、利用者が主役になれるように日々心がけています。
(takuya)